GPSとランニング
登山やハイキング、トレッキングのアウトドア界のスポーツ分野ではハンディGPSと言われる手に持つタイプのGPSがすぐに普及されました。ハンディGPSの発売から間もなく腕時計型のGPSも発売されましたが当初はサイズも大きく、画面も小さい、また一般的な時計と比較しても明らかな違和感、さらには稼働時間も短いと多くの課題点がありました。
しかし近年の技術の躍進もあり、サイズは小型になり、液晶画面も解像度アップで見やすくなり、稼動時間もバッテリー性能の向上でより長くなり、そして見た目も他の腕時計と変わらないデザインで、さらに軽量化も進んで参りました。
GPS搭載の腕時計は非搭載のスポーツウォッチにはできない、ありとあらゆるランニングにかかわるデータの計測・解析を可能とし、加速度センサーの内蔵や光学式心拍計測の搭載また、GPSウォッチとは別に装着する各種センサーなどの性能も躍進しています。
この躍進により、ランニング界では最も多いと思われるマラソン、ジョギングユーザー様が特に気にされる走行タイム、ランニング距離、速度、現在のペースなどの情報をより精度を高めることができるようになりました。
これまで、GPSウォッチに抵抗があった人やその精度に期待されていなかった方の要求を満たせるようになりつつあることで、一躍GPSデバイスの中で
ランニングGPS=GPSウォッチの人気が高まっています。
また、アップルウォッチやAndroid搭載スマートウォッチなどの最新スマートウォチの台頭もありGPSウォッチも新しいパーソナルデバイスとして注目されております!
ランニングをされる方には、
「大会でより良いタイムを出すことを目的として走る方」
「体力向上と健康管理の為のランニング」
「100Km以上の自分への挑戦、限界を超えるハードラン」
など、
走る理由は人それぞれですが、ランナーにとっては走る際に必ず必要なもので準備するものには、上下ウェアやシューズは言うまでもなく必要です。
その他にも汗タオル、水筒、夜間ランナーにはヘッドライトの関連商品もランニングをおこなう為に必要なものです。
数多くあるランニングに必要なアイテムの中で、ランニングウォッチやストップウォッチは主により早く走ることに重点をおいた方に昔から愛用されおります。ストップウォッチタイマーの機能、プラスαのGPSウォッチはGPS測位性能の向上やスマートフォンの普及によりGPSという言葉そのものの認知度が高まり、GPSランニングウォッチも重要なアイテムのひとつとして考えられています。
そんなGPSランニングウォッチも10年以上前までは、、
(フォアランナー201
GPSウォッチの先駆けデバイス)
ご覧のように、サイズも大きく、重量もあり、稼動時間も数時間、さらには防水性も生活防水レベルで多少の雨風はしのげるのですが、ランニング後にGPSウォッチを装着したまま、うっかり水道で手を洗ってしまい浸水。。。この手の修理依頼が昔は多くございました。しかしここ数年は浸水での修理依頼は殆ど聞かなくなりました。
2017年最新モデル
フォアランナー201もその当時はGPSスポーツウォッチの中で最先端の製品で画面や文字サイズが大きく見やすい利点もありますが、2017年の最新製品と比較をするとやはり見劣りしてしまいますね。
サイズも小さく、薄く。
そして軽い。
デザインも他の腕時計と変わらなくなり、距離やスピードなどの計測データもGPS測位性能自体の向上や、加速度センサーの搭載でより高い精度での計測も可能となっております。
ランナーにとってモチベーションの維持・向上にもつながる製品としてもGPSランニングウォッチは注目を集めてます。
このランニングウォッチの世界で先駆者的な位置にいるのは、海外メーカーのGARMIN(ガーミン)です。国内では2012年にEPSON(エプソン)2013年にはアディダスがGPSランニングウォッチを発売しており、その他にもポラールやスント、ナイキ、ニューバランス、アシックスなどのスポーツブランドも参入しております。
多くのブランドが参入しているGPSランニングウォッチですが
GPSランニングウォッチ?何ができるの??
という方の為に、GPSランニングウォッチがあることで一体何ができるか、簡単にまとめさせていただきますと、以下のような機能が基本的機能として備わっています※
◯現在の位置を知る
◯距離、速度、ペースなどのランニングに関わるデータを表示・確認・計測できる
◯心拍数を知る
◯記録したデータはPCやスマホなどにアウトプットして解析できる
◯仮想の伴走者を設定して、競争できる
◯VO2MAX、リカバリーアドバイザー、歩幅や上下動の情報を知る
◯目的地へ導く(ナビゲーション)
※製品の種類により機能は異なる場合がございます。
このように、走るということに対して発生する様々な情報を数値化して表示、記録、確認、分析をおこなえるのがGPSランニングウォッチなのです。
上にあげたように様々なメーカー、ブランドが参入しており商品の種類も増えていることで何を基準に選べば良いのか悩ましいところですがランニングウォッチを選ぶうえでも特に重要なポイントとしては以下の5大ポイントがございます。
1、走る目的に応じて、稼動時間を考える
動作時間は様々ございます。フルマラソン、ジョギング、ウルトラマラソン、トライアスロンなどご自身の利用によって稼動時間を比較しましょう。
2、知りたい情報は何かを考える
距離、速度、ペース、タイム、ラップタイム、平均速度、平均ペース、心拍数など計測項目は商品により異なります。知りたい情報が何であるかを考えて表示できる商品をお選びください。
3、重量
時計を腕に巻く、それだけでも違和感はあるものです。ランニングの際の腕振りにも影響を与えるのでより身軽になることを考慮される方はできるだけ軽いものをお選びください。
4、画面サイズ
記録中に画面を見て表示を確認することもとても重要なこと。各商品、表示の仕方や画面割り振りなど異なります。また一度に何個表示できるのかなども違いがございますので画面・文字のサイズも検討の1つに加えてください。また夜間ランナーには特に必須なバックライトも特長がありますので考慮してください。
※画面一例、バックライト
5、アウトプットと拡張性
実際に記録したデータをパソコンやスマートフォンに取り込み表示できる商品とできない商品がございます。走行中にペースだけ知りたいという方にとってアウトプットは必要ありません。データを取り込めるとしてもそのアプリケーションがパソコンやスマートフォンのどのOSに対応しているのか?。またどのような管理ソフトなのか知ることも機種の選定には重要です。
この5つの点を考慮して機種を選定することでおのずとご自身にあった商品を見つけることができると思います。
GARMIN(2017年発売)
フォアアスリート935
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POLAR(2017年発売)
M430
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GPS衛星をはじめとした測位システムは日本のみちびき衛星、ロシアのグロナス、中国北斗、欧州のガリレオなど測位システムはGPS以外にも広がりをみせており(2017年時点)今後更なる技術開発や衛星の打ち上げが予定されております。測位衛星システムそのものの技術が向上すると、その分民生用のハンディGPSやランニングGPSにもいずれは今よりも高い精度が得られる時代がやってくる日も近いのではなかいと考えます。
また、測位衛星システムと同様にGPSデバイス自体も進化を続けており、内蔵のGPSチップはより小型化し消費電力が良くなりバッテリー稼動時間の向上につながっています。加速度センサーなども同じく小型化され、より誤差を少なくでき、周辺アクセサリーも同じく機能が良くなっております。新しい機種などでは以下のようなよりトレーニングに役立つ情報を知ることができます。
スポーツGPSの新しい機能
・VO2Max
>運動時の最大酸素摂取量を知ることでご自身の持久力を測るうえでの指標としてVO2MAXが使われております。この指標をGPSランニングウォッチを使うことで情報として得ることができます。トレーニングや健康管理の目安としても役立つ指標ですので効率の良くランニング効果を得ることができます。
・リカバリーアドバイザー
>トレーニングを重ね蓄積した履歴データや走行時の心拍数・ペースから、トレーニング終了時に「回復に必要な時間」をアドバイスしてくれる機能です。
・ランニングダイナミクス機能
>効率の良いランニングフォームを得るために、GARMINなどの上位モデルに搭載された機能です。走行時に体の上下動や地面にシューズが設置している時間も測定することができ、1分間あたりの歩数であるピッチの計測も可能です。
発売から10数年あまり経過するGPSランニングウォッチですが、その進化はここ数年特に目覚ましいものがあります!
今後もGPSランニングウォッチから目が離せない日々が続きそうです。
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